ヨルダン生活まめ情報

ヨルダンの首都アンマンでの子連れ生活雑記

アンマンで予防接種

※ごく一部のクリニックを利用した、個人的な経験に基づく記事ですので、あくまでご参考までに。予防接種について気になることなどは、ご自身で小児科医にご相談することをお勧めします。

 

●はじめに

我が家は上の子は生後10ヶ月、下の子は生後2ヶ月でヨルダンにやって来ました。

同じく生後5ヶ月、2ヶ月でそれぞれ兄弟を連れて来たママさんとお話しして、共通の認識だったのは、「小さいうちから随伴する場合、日本で予防接種をひと通り(生後半年くらいまでの定期接種)を終えるか、全く打たずに来てヨルダン式でスタートした方がよかった」ということです。

我が家は下の子の時、生後2ヶ月の初回接種(B型肝炎、Hib、小児肺炎球菌、ロタウィルスの初回)だけ日本で受けて来てしまい、ヨルダンでの接種に際して余計な重複が生じることになってしまいました。。

 

以下、個々の状況を説明します。

 

1. 小児予防接種の必須ワクチンの種類

必要な予防接種の種類については、日本とヨルダンでそれほど大きな違いはないように感じました。

あえて違いをあげるとすれば、日本は3歳で日本脳炎を接種すること(これは恐らくヨルダンで受けられない)、ヨルダンは2歳で髄膜炎菌性髄膜炎(meningococcal)、A型肝炎(Hepatitis A)腸チフス(typhoid)の接種を勧められたことです。これらの接種は日本では必須ではないものの、我が家の勤務先組織で「ヨルダンに渡航する際に推奨される予防接種」に含まれていたため、勧めに応じて接種しました。

 

2. 接種タイミング

スケジュールの観点では、生まれてすぐにまずはBCGを政府の保健センターで打つことになっているようです。

それ以外は、2ヶ月から2、4、6ヶ月と6種混合と小児肺炎球菌(Prevanerとワクチン名で呼ぶことが多い)を打っていきます。

1歳以降は大体日本と同じタイミングかと思います。その頃から受診し始めた上の子の時は、特に接種タイミングについて異論を示されることはありませんでした。

ちなみに、6種混合、肺炎球菌、ロタとまとめて打つと一回で245JD(含む健診&手技費用)かかりました。。ご参考までに。

★ヨルダン予防接種スケジュール

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ヨルダンの小児科でもらった予防接種カードのスケジュールですが、よく見たら米国のものでした。。ヨルダンの小児科医は、米国小児科学会所属の医師が多いようなので、米国基準が用いられているのだと思います。

 

ヨルダン政府の予防接種担当官による、予防接種に関するプレゼンテーションで紹介されていたスケジュールはら以下リンクです。保健省のホームページなど探したのですが、適当なものが見つからず。。一応該当部分(11スライド目)は英語でした。

http://www.just.edu.jo/DIC/Documents/برنامج%20التطعيم%20الوطني.pdf

 

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上記リンクより抜粋。こちらは2、3、4ヶ月での接種が推奨されてますね。

 

★日本小児科学会推奨の予防接種スケジュール英語版

(母子手帳に英語併記されていますが、小さくて読みづらいため、医師説明用にこちらを印刷して持参していました。)

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY

 

3. 6種混合ワクチン

日本ではHib、4種混合(DPT-IPV)、B型肝炎がそれぞれ単独のワクチンになっていますが、ヨルダンでは全て一緒の6種混合ワクチン(Hexavaccine)となっているのが一般的です。ヨルダンではこの6種をまとめて、生後4、5、6ヶ月と接種するのが一般的のため、実はこれが日本のスケジュール(HibとB型肝炎は2ヶ月から、4種混合は3ヶ月から初回接種)とずれてしまうため、接種に重複が生じる原因となっています。一時期は5種混合ワクチンもありましたが、今は6種混合が一般的のようで、少なくとも筆者が訪れたいくつかのクリニックでは単独ワクチンは入手不可との回答でした(総合病院などではもしかしたら接種できるかも知れません)。

なお、この6種混合ワクチン含め、ワクチンの殆どはヨーロッパのグローバル製薬会社(サノフィパスツール、GSK、ファイザーなど)のものです。また、6種混合ワクチンは日本では未認可ですが、欧米では一般的で、日本でも輸入ワクチンとして接種できるところもあるようですので、ワクチン自体は問題ないと思います。大体75JD/回で受けられます。

 

★参考:6種混合ワクチンについて

予防接種、多い注射回数 多種混合の認可が遅れ|健康・医療|NIKKEI STYLE

 

予防接種 — Primary Care Tokyo

 

4. BCGワクチン

BCGは生後すぐに政府の保健センターで接種します。このため、プライベートのクリニックではBCGワクチンのみ確保困難です。(一部、たまに手に入るクリニックもあるようです。また、Jordan hospitalなら打てるとの情報もありますが、真偽は未確認です。) 

 

というわけで、生後7ヶ月になってしまった下の子を連れて、政府の保健センターへ行って来ました。

我が家から最寄りの保健センターはこちら↓

Dahiet Al-Hussein Capital Health Center
Amman
https://goo.gl/maps/PgYwAUt1udt

 

場所によると思いますが、こちらは毎週水曜の朝9時から予防接種と決まっており、初回はその事実を教えてもらって受けられず帰宅、再訪問しました。

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どこの国でも同じようなつくりの政府保健センター。。

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予防接種の部屋

 

予防接種の日には他にもたくさん赤ちゃんが待っていました。着いた時に、希望するワクチンと子どもの名前と誕生日を告げ、呼ばれるまでのんびり待ちます。プライベートクリニックのように、接種前に身長体重や体温を測ることはなく、これまでの接種歴をさらっと見て、口頭でいくつか確認、接種後も無料のため特に受付や会計を通らずそのまま帰りました。

ただ、、最初は少し英語を話してくれましたが、やはり途中からアラビア語メインになってしまったため、アラビア語のわかる方とご一緒することをお勧めします。。

ちなみに、帰宅時に9ヶ月で接種できる麻疹などの予定接種日のメモをくれました。実は、ヨルダン政府の国家予防接種プログラムに指定されているワクチンは全て、政府の保健センターで無料接種できます。アラビア語ができる方にはオススメかも?アポイント不要(接種日時は事前に確認のこと)、必要なのは予防接種カード(母子手帳で可)のみ、パスポートもお金も要りません。外国人もOKです。

 

5. ロタウィルス

こちらもクリニック次第かも知れませんが、ロタリックス(二回接種の一価ワクチン)を一度接種して赴任したところ、ロタテック(三回接種の五価ワクチン)しか入手できず、結局ロタテックを二回接種しました。日本だと混合接種はダメとされていますが、、ヨルダンの医師曰く、問題ないとのこと…。

自己責任です。。

(なお、日本で混合接種が禁止されているのは、有効性も危険性もどちらも充分検証出来ていないから、とのことでした…うーむ)

 

6. 接種箇所

血管が見えにくいため、大腿部に打つことが一般的のようです。打つ前にはアルコール消毒し、打った後は、普通の絆創膏を貼られます。剥がすのが痛そうです。

BCGのみ、腕に打ちました。そしてこれだけ2日間お風呂入るなと言われました。。

 

7. 母子手帳

ヨルダンでも予防接種カードを書く習慣はあるようで、母子手帳の該当欄を開いて提出すると、ちゃんと書いてくれます。ただ、日本の母子手帳の記入欄に慣れていないので、大幅にはみ出したり、書く箇所を間違えたり、ロットナンバーのシールで次回の接種欄が隠されることも。。

書き間違いの無いよう、横についてしっかり見守りましょう…。

 

日本との違いで色々大変ですが、なんにせよ、子どもの健康が一番です。

公衆衛生の観点からも、予防接種はWHO推奨の基本接種を心掛けたいと思います。