アンマンのBRT (Bus Rapid Transit)
公共交通機関が弱く、車やタクシー(及びUberやCareem)中心の生活となるヨルダンについて、以前ポストしました。
ところで、アンマンで生活していて、最近道路脇でこんな看板を目にします。
アンマン市内でBRT(Bus Rapid Transit バス高速輸送システム)の建設計画があるようです。
BRTと言えば、バス専用道路の整備とバス車輌を調達すれば、電車やメトロよりも比較的安価な建設コストで大量の乗客を輸送できることで知られています(他にも駅や周辺開発、運賃システム整備等々必要なものはありますが、少なくともハード面では、電車に比較すると安価に収めやすいと言えます)。ブラジルのクリチバ市やインドネシアのジャカルタ、トルコのイスタンブールなどで実績がある他、日本でも東日本大震災後にJR気仙沼線・大船渡線で復旧までの代替手段として導入されたことで知られています。
(参考:気仙沼線・大船渡線BRT(バス高速輸送システム):JR東日本)
タクシーや自家用車からの乗換えが進むかは未知数ですので、アンマン全体の渋滞緩和に貢献するかは分かりませんが…。少なくとも、現在のバス利用者が、BRT 導入によって交通渋滞の影響を受けずにスムーズに移動することはできそうですね。
しかし、UberやCareemもこれだけ普及して安い中では、ドアtoドアの便利さは捨て難いものがあります。。一応、ウェブサイトによれば、BRTを中心とした交通ネットワークを構築する計画のようです。
路線計画は公式ウェブサイトからお借りしました。
同サイトによれば…
●路線は2本あり、1本はヨルダン大学の向こうのSweileh TerminalからSports cityやNorth terminalを通ってMuhatta Terminalへ行くもの、もう1本はSports cityからダウンタウンへ伸びてNational Museumまで行くもの、全長32kmをカバーするとのこと。
●金土も含めて朝6:00から深夜まで運行する。
●各駅〜急行まで3通りの運行。
●一度に120人程度の乗客を輸送可能で、ピーク時は3分おきくらいで運行する。
なお、Jordan Times等の記事によれば、
●着工は2010年だったが、2011年に実現可能性が危ぶまれたため一旦中断、その後2013年より再開。
●フランス政府(AFD)が4000万JDの融資を行なっている。
●工期は30ヶ月との報道もあり。(インシャアッラー)
●次はザルカまでBRT建設の案もあり。
参考記事
Work on Amman’s second BRT package to start next week | Jordan Times
GAM receives JD40m loan from French agency to continue BRT project | Jordan Times
Buses to cut travel times in and around Amman | Jordan 2015 | Oxford Business Group
アンマンの人々が車からBRTに乗り換える日は来るのでしょうか…?