アンマンから子連れおでかけ(火星テント@ワディラム)
https://www.thisisamman.com/en/21
ヨルダンにいながら火星へ行ってみよう、というコンセプトで流行(?)している、ワディラムのMartian dome。昔からのベドウィンテントで寝起きする方が、自然の中で暮らすベドウィンの気分や砂漠との一体感を味わうにも、情趣も断然ありますが…
小さい子連れだと夏の砂漠は色々と大変なこともあり、試しに一泊利用してみることにしました。
●Martian domeとは
ワディラムのキャンプサイトに設置された、火星をイメージしたドーム状の個室テントです。パイプで作られた骨組みに白いテントが張られている構造は普通のテントとそんなに変わりませんが、一部がビニールハウスのように透明になっていて、テント内にいながら、ベッドに寝そべって外の景色や星空を眺めることができます。
外を見ないときはカーテンを閉めることもできます。
室内は普通のゲストハウスのようにベッドやソファが設置され、だいたいエアコンも完備。ただ、こうした形状のテントはワディラムの保護区外に設置されているものも多く(環境上の理由か、設置上の技術的な問題かは分かりませんが)、今回宿泊したテントも、Visitor Centerを通って入る、いわゆるワディラム保護区域の外側のDeisehエリアに設置されていました。辺りを見回すと、周辺環境的には同じような岩や砂漠があるのですが、、他のキャンプも近接しており、ワディラムの真の砂漠とは異なる感じかも知れません。
ヒジャーズ鉄道の近くにあるキャンプサイトでした。
この場所の利点があるとすれば、自家用車が4WDでなくてもアクセス可能なことです。通常のキャンプサイトは、Visitor centerで迎えのピックアップトラックを待って乗り換える必要がありますが、こちらは舗装された道路から少し入ったところなので、レンタカーやタクシーで乗り付けている人もいました。
もし保護区内の砂漠の中での寝泊りを楽しみたい場合は、同じようなドームテントがありますので、キャンプサイトの場所も地図上で確認の上で予約されると良いでしょう。
●ベドウィンテントとの違い
①テントの中から星が見える
特に今回は新月からすぐの時期だったので、テント内からでも電気を消すとよく星が見えました。ただ、近くにキャンプが多くて明るいのと、テントのビニール越しではやはり物足りず結局外に出て見ました。。降るようなワディラムの星空を楽しむには、やはり砂漠のど真ん中で伝統的なベドウィンキャンプの方が良いのやもしれません(子連れ等の制約が無ければ)。。
②エアコン完備
到着した16:00頃は相当暑かったので、エアコンを全開にしましたがなかなか冷えませんでした。。無いよりはマシですが、日光でテント内はかなり温まっているので、エアコンよりも風通しの良い外の日陰で過ごす方が涼しいです。ただ、長時間つけるともちろんだいぶ涼しくなり、子連れにはありがたい設備なのですが。
ちなみに今回泊まったキャンプは、サイト内に昔ながらのベドウィンテントも併設されていて、そちらにもエアコンがついているとのことでした。
③テント内にトイレシャワー付き
これは子連れには便利でした。1歳児は洗って受け取ってくれる人が必要なので、男女で分かれた共同シャワーだと受け渡しに支障があり。。
④宿泊費も火星級
通常、ワディラムのベドウィンテントは設備にもよりますが1泊30-50JDが相場で、安いと15JDほどから(キャンプの価格設定によっては素泊まり料金で、朝食、夕食代が上乗せされる場合も)ありますが、Martian domeの相場は1泊120JD〜200JDくらいのようです。3倍以上。。気軽なバックパッカー旅とは少し趣きが違いますね。
食事は通常のベドウィンテントのキャンプ同様、夜はベドウィン式の土に埋めるBBQ、Zarbを中心とするビュッフェ、朝はアラブ的な朝食です。
真っ黒焦げに見えるお肉が、ホロホロ柔らかくて美味しいのです…
またオプションでジープツアーやラクダツアーの手配もありますが、やはり平均より少し高めな印象でした。(1時間のラクダツアー、1頭で15JD。相場は10JDくらいかと…)
Visitor centerの地図に、ツアー手配の参考価格が記載されています。
⑤ツアーでの宿泊も多そう
筆者がワディラムに行くのは5回目、過去4回は何れも小規模キャンプだったためか、こんなに人がたくさん収容できるキャンプは初めてで驚きました。夕食時のダイニングホールが大混雑で、料理をとるのにかなり行列を成していました。Martian domeだけで15棟ほど、他にもベドウィンテントが同数くらいあるようだったので、かなり大人数が宿泊できそうでした。儲かりそうですね。
●利用できるキャンプ
SNSなどでも話題になり予約が増えていることから、宿泊単価が高いこともあり各キャンプが競ってMartian tentの建設を進めているようです。今回宿泊したキャンプの向かい側にも白いドームが集まったキャンプサイト。隣にも建設中のドームの骨組み…
そんな乱立する中で1番人気があるのが、冒頭の記事にも登場しているSun City Campでしょう。2018年に最初にこのタイプのテントをオープンしたのもこちらのキャンプサイトのようです。予約が取りにくいため、他の類似キャンプで妥協したという予約サイトのユーザーレビューも散見されました。
'Mars on Earth' experience opens in the Wadi Rum desert | CNN Travel
筆者が本日時点で調べた限りでは、以下のキャンプにMartian dome (またはMartian tent等)があるようです。いずれもbooking.comなどの予約サイトで予約可能です。
・Sun City Camp
https://goo.gl/maps/PkDAaNJUR5iFdYm29
・Hasan Zawaideh Camp (今回筆者が利用)
Deiseh地区という保護区外のエリアにあります。中を楽しむにはオプションツアーに参加する必要があります。
Ad Deiseh،، Wadi Rum Village
https://goo.gl/maps/Vxn1eTLk6RX9iFYY9
・Wadi Rum UFO Laxotel
こちらはVisitor centerを通り、Wadi Rum Village内にあるようです。
https://goo.gl/maps/TUQjjdyeRFfmj7cf8
・Wadi Rum Night Luxury Camp
こちらは保護区の中に位置しているようです。Full of Stars tentという名称でした。
https://goo.gl/maps/p13AL77YKSsRhyH17
・Mazayen Rum Camp
こちらも保護区内に食い込んで位置しているようです。
Protected Area, Quairah District, Wadi Rum
https://goo.gl/maps/eC6UEgSAHJbPdaZB7
・Memories Aicha Luxury Camp
こちらも保護区内のようです。こちらが1番高級そう。。
https://goo.gl/maps/C1utKVqnjZBb8TQ87
筆者が過去5回ワディラムに宿泊したうち、子連れだったのは今回と前回のみでしたが、前回は普通のキャンプ(Obeid's Bedouin Life camp)に泊まりました。普通のベドウィンキャンプでも特段支障はありませんでしたが、話のネタに、子連れや高齢の方にも砂漠を気軽に体験してほしい時などに、火星体験してみるのもよいかも知れません。
★おまけ アクティビティ編
幼児連れでワディラムへ行くと、なかなかジープツアーなどは大変ですが(前回は1歳半を連れてツアーしましたが、ピックアップトラックの荷台は日差しや風など過酷な上、岩登りなど子連れでは制約もありました…)、短めのラクダツアーなら降りる時以外は大丈夫でした。ラクダがしゃがむ瞬間は幼児たちはぎゃん泣きでした。。まあ大人でも怖いですよね。。
お砂場セットは必携です。サラサラの砂が水を流すと固まるのは、大人でも楽しめます!砂漠でお砂遊びに夢中。
繰り返しとなりますが、ワディラムの本質的な砂漠の静けさや、ベドウィンの伝統的なライフスタイルを体験したいなら、やはりベドウィンテントでの宿泊がおすすめです。一方、子連れ等で制約のある中でも気軽に砂漠を楽しみたい場合に、こうしたオプションもありかと思います。メリット、デメリットを検討の上で利用してみましょう♪